物理学連携プログラム

非線形物理学

複雑な系が示すカオスの中の秩序と機能
末谷 大道
職位:教授
メールアドレス(※注):suetani
場所:教養教育棟4階
オフィスアワー:水曜14:40-16:20
研究情報:researchmap/大分大学研究者総覧/大分大学研究シーズ集

研究概要

 平衡状態から遠く離れた系では、「非線形性」が働くことで様々な動的現象が現れます。その振る舞いを数理的に記述するために、自己組織化、散逸構造、カオス、フラクタルなどの諸概念が整備されてきました。そして、これらの諸概念は「非線形物理学」として学問的に体系化されつつあります。
 一方、情報処理に関して、データ量・計算機能力の大規模化とニューラルネットワークやカーネル法などのデータに内在する非線形性を捉えたモデリングや解析手法の開発が進んでいます。
 本研究室では,生体システム(脳神経系)が持つ柔軟な情報処理機能の背後にある物理的な基盤、特にカオス的なダイナミクスが持つ積極的役割について、理論解析および数値シミュレーションを通じて探求しています。同時に、外部の実験研究者と連携しながら、脳波や質量顕微鏡イメージングなどの実験データの解析を非線形性やスパース性に着目して行っています。また、これらの研究の理論的背景となる力学系の数理や機械学習理論に関する基礎的な研究を行っています。
 卒業研究では、数値シミュレーションやデータ解析のプログラミングの他に非線形ダイナミクスを示す簡単な装置作成も行います。

研究紹介(末谷)

物質科学(液晶)

液晶って何?どんな性質があるの?
長屋 智之
職位:教授
メールアドレス(※注):nagaya
場所:教養教育棟2階
オフィスアワー:木曜16:30-18:00
研究情報:researchmap/大分大学研究者総覧/大分大学研究シーズ集

研究概要

 普通の物質は、温度変化に対して固体、液体、固体の状態を移り変わりますが、細長い棒状の形をした液晶物質は、液体と固体の間で「液晶状態」という特別な状態になります。ネマチックと呼ばれる液晶状態では、棒の方向がほぼ一方向に揃っています。揃っている方向とその垂直方向の屈折率が違うため、光が伝わる速さが偏光方向によって違います(複屈折)。また、棒の重心は液体の様に無秩序に分布していて、液体の様に流れます。そのため、液晶はとても柔らかく、揃っている方向を電場や磁場で容易に変えることができます。複屈折と柔らかさがあるからディスプレイに応用できます。
 液晶は光学デバイスに応用できる有用な物質ですが、基礎科学の観点からも非常に興味深い物質です。液晶をガラス板に挟んで電場や磁場を掛けると、様々な面白い模様(パターン)が現れます。そして、条件を変えるとパターンが多彩に変化します。このパターンの出現と変化の理由を理解することは基礎物理学の重要な研究課題です。本研究室では、この様な液晶系で出現する様々なパターン形成現象の研究を行っています。液晶独自の面白い発見もありますが、時として液晶に関係なく普遍的な物理法則に関わる重要な発見をする事があります。
 卒業研究では、液晶実験の為の電子工作,機械工作,測定や解析のプログラム作成も行うので,実験を通じてもの作りの基礎も学べます。

研究紹介(長屋)

物質科学(ガラス)

液体はどのように流れるの?ガラスはどうやって壊れるの?
岩下 拓哉
職位:准教授
メールアドレス(※注):tiwashita
場所:教養教育棟3階
オフィスアワー:水曜12:00-13:00
研究情報:researchmap/大分大学研究者総覧/大分大学研究シーズ集/ 科研費学術変革Bのサイト

研究概要

 物質が、固体や液体、気体の3つの状態をとることは学校で学びます。しかしながら、固体や気体に比べて、液体については十分な理解が得られていません。我々が毎日口にする水は今でも最先端の研究の対象になっています。特に、液体状態の中で、原子や分子がどのように動いているのか?に関しては世界中の人たちが競って研究をしています。また、これらの研究は我々の身近にある乳製品や化粧品、インクなどの液体中に微粒子が分散したコロイド微粒子分散系の基礎研究にも密接に関わってきます。本研究室では、シミュレーションや実験を通して液体の運動の研究を行っています。
 ガラスは物質の三態には分類されない材料で、液体と固体の中間の性質を示す材料です。ガラスの構造は液体と類似していますが、固体的な振る舞いを示します。液体とガラスの本質的な違いはなにか?ガラスはどうやって壊れるのか?本研究室ではこのような疑問も解決しようと挑戦しています。

研究紹介(岩下)

宇宙科学

太陽系の外の惑星探査とその形成現場の観測
小西 美穂子
職位:講師
メールアドレス(※注):mkonishi
場所:教育学部棟4階
オフィスアワー:水曜13:00-14:30
研究情報:researchmap/大分大学研究者総覧

研究概要

 この広大な宇宙には、私たちの住む地球のような生命を育む惑星は存在しているのでしょうか?太陽系の惑星(地球を含む8つの惑星)以外の惑星(太陽系外惑星)が発見されてから現在に至るまで、数千個もの太陽系外惑星の存在が確認されています。その中には、太陽系の惑星には見られない性質を持つものも多く報告されており、惑星は我々の常識を超えた多様な性質を持つことがわかってきました。このような異形の惑星は、いったいどのように生まれたのでしょうか?惑星は、若い恒星の周りに作られる円盤状の構造(原始惑星系円盤)の中で、個体微粒子(ダスト)やガスが集まって作られると考えられています。一度惑星の種が形成されれば、円盤にも影響を与えるとも言われています。このような惑星形成の現場や惑星自身の特徴に関して、国内外の大型望遠鏡を用いて観測的に調べる研究を行っています。

研究紹介(小西)

教育工学

超伝導体の物性実験及び教育工学
近藤 隆司
職位:講師
メールアドレス(※注):ryuji-kondo
場所:教養教育棟2階
オフィスアワー:水曜16:30-18:00
研究情報:大分大学研究者総覧/大分大学研究シーズ集

研究概要

 超伝導体の物性実験:超伝導は、電流が抵抗なく流れる特異な現象で、低い温度領域で生じます。磁場中に超伝導体を持ってくると、ファラデーの誘導起電力によって超伝導体内に電流が流れ始め、磁場の侵入を妨げます。超伝導体ではこの電流が減衰せず、いつまでも流れ続けます。この内部に流れる電流を小さなホール素子を用いた表面磁場の観測から推定し、超伝導電流の最大値を決める要因を研究しています。
教育工学:e-Learningに関わるソフトウェアの開発をしています。これまで、数式を用いて解答したものを自動採点する教材や、自由記述された解答を取り扱う教材とその採点ツール等を開発してきました。要するに、 e-Learningで課す宿題を拡張するようなソフトを書いてきたのですが、これからは宿題に限らず、教室であるいは遠隔講義で役に立つツールを開発したいと考えています。

研究紹介(近藤)


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